「もしもし、宗像先輩。
突然すみません、俺です。人吉善吉です。
って――やっぱ時差ありますよね?もし寝てるとこ起こしてたら悪かった、許してください。
今日は目的地着く前に、一言報告しとこうと思いまして。
ほら、いわゆるホウ・レン・ソウってやつ。
俺だって伊達に生徒会仕切ってる訳じゃねーんすよ、これくらいは当然、当たり前です。
そう、南極に着く前に――つーか正確には『南極に墜落前に』ですか。
……あっれ?
絶句しちゃってどうしたんだ、あんた。言葉を失って無言になるなんて、まるで叶野さんみたいっすね。
カッ、心配ご無用ですよ!いくら戦闘機が墜落つっても、緊急脱出用のパラシュートくらい、抜かりなく定員の五人分そろえてますんで。
叶野さんならここまで来た方法で何とか出来るでしょうから、生徒会四人の仲間と、贄波の分は、完璧に。
あはは、命がけで戦ったんだから、あいつももう救うべき友達です。
はあ?
あの、電話口でそんな怒鳴って何言ってるか分からな……
ってこれ、ただのノイズか。混線みたいな?先輩の声らしくねーな。
まあ、こんなとこで携帯通じること自体奇跡だししょうがね、
……とは言えまだ聞こえるなら、とりあえず繋がってるなら、もう残り時間もねえし白状するか。
実はあんた、俺にとって、生まれて初めて出来た男友達だったんだぜ。
初心者同士とかって、知ってましたか?
道理でうまくいかないはずだよなあ……、俺はあんたにいっつも世話かけて、こんなお別れで。
宗像先輩、今まで俺と仲良くしてくれて、本当に本当にありがとうございました。
刀を貸そうとして、遊んで、勉強教えて、助けて、応援して、祝って、殺さないでくれて。
もしもの時は、地下九階にでも化けて出るんで。花でも供えてくれたらデビル成仏。
ばいばい。どうぞお元気で、鰐塚と仲直りしねーと承知しねえからな。
あと俺の部屋の本棚に隠してる、今度庭園でお茶するつもりだった大量のチョコ菓子も、持ってけ泥棒!
いや相棒。勝手に。
…………ってこれ、留守番電話かよ!まあいいか、後で暇な時に聞けるし」